多くの投資家が行っている「FX」。世界の数ある通貨の中でも、南アフリカランドを購入している人もいるのではないでしょうか。そんな南アフリカランドですが、金利が高いと話題です。「南アフリカランドの特徴が知りたい」「ランドの金利は何故高いの?」「南アフリカランドを投資するメリットやリスクが知りたい」といった方に向けて、この記事では
- 南アフリカランドの特徴
- 南アフリカランドの金利はなぜ高いのか?
- 南アフリカランドを投資するメリットやリスク
- 南アフリカ共和国について解説
- 南アフリカランドの今後の見通しを予想
について解説していきます。この記事を読むことで南アフリカランドについてわかります。是非、最後まで読んでみてください。
南アフリカランドの特徴
南アフリカランドの特徴を紹介していきます。
新興国通貨と同時に資源国通貨でもある
南アフリカは、金やダイヤモンド、プラチナといった資源が世界でトップクラスの「資源大国」です。そのため、資源価格による影響を受けやすく、資源価格が上がればランドの値は上昇し、資源価格が下がればランドの値は下降していきます。
また、南アフリカは新興国として大きな成長が見込まれている国です。新興国通貨は、高い成長性や収益性を期待できますが、流動性が低く経済や社会情勢によって通貨が暴落リスクもあります。
金利が高い
南アフリカランドは高金利通貨として有名です。南アフリカでは国外からの投資を引き付けるために「高金利政策」が行われています。コロナ禍前の政策金利は6.5%前後を保ち、コロナ禍に入った2020年には3.5%まで下がるも2022年から利上げを行い、2024年1月時点では政策金利8.25%まで上昇しています。
中国経済の影響を受けやすい
南アフリカの最大貿易相手国は中国です。そのため、他の新興国通貨と比べて、中国経済の動向による影響を受けやすい通貨になります。特に中国が輸入している鉄鉱石・マンガン・クロムなど鉱物資源の需要に反応する傾向がみられます。新興経済大国群である「BRICS」の一員として、経済や政治的にも中国との結びつきが強くなっています。
値動きが激しい
南アフリカランドは、ドルや円など主要通貨と比較して取引量が少ない通貨です。そのため、少しの出来事で相場が大きく動き、急激に上昇・下降と価格が非常に激しく動きます。また、取引するトレーダーが少ないため、不規則な値動きをする特徴を持っています。
南アフリカランドの金利はなぜ高いのか?
鉱物資源が豊富な南アフリカですが、長年の採掘によって過酷な環境で採掘しないと資源が得られなくなりました。労働者は、労働環境が厳しいため、改善を求めてストライキが頻発しています。このような背景から、南アフリカでは給料の上昇圧力が強く、インフレ傾向が続いているため、南アフリカの金利は常に高水準をキープしています。
南アフリカランドを投資するメリットやリスク
南アフリカランドを投資するメリットとリスクについて解説します。
投資するメリット
アフリカランドを投資するメリットは以下の通りです。
- 金利が高く、長期保有することで多くのスワップポイントを得られる
- 価格幅が大きいので短期的な取引で稼げる
- 貴金属など資源価格から値動きの期待ができる
- 新興国グループの中でも大きな成長が見込まれている
投資するリスク
アフリカランドを投資するリスクは以下の通りです。
- 価格幅が大きいため短時間で大損することも
- リアルタイムに情報を得るのが難しく、国内情勢など地政学的なリスクがある
- スワップ利益を得るには時間がかかる
南アフリカ共和国について解説
南アフリカ共和国について解説していきます。
南アフリカ共和国の基本データ
- 面積:122万平方キロメートル(日本の約3.2倍)
- 人口:6004万人(2021年時点)
- 首都:プレトリア
- 民族:黒人81%、白人7.7%、混血8.8%、アジア系2.5%
- 言語:英語、アフリカーンス語、バンツー諸語など
- 宗教:キリスト教、ヒンズー教、イスラム教等
南アフリカ共和国の経済
南アフリカ共和国の経済について解説していきます。
産業
南アフリカ共和国の主要産業は以下の通りです。
- 農業:畜業、メイズ、サトウキビ、大豆、柑橘類、ジャガイモ、小麦、羊毛、皮革類など
- 鉱物:金、鉄鉱石、プラチナ、石炭、銅、ダイヤモンドなど
- 工業:食品、製鉄、化学、繊維、自動車など
貿易品
南アフリカ共和国の貿易品は以下の通りです。
- 輸出:鉄鉱石や金、石炭などの鉱物や、製造した自動車など
- 輸入:原油や機械部品、石油製品、自動車部品など
輸入・輸入国
南アフリカ共和国と輸出・輸入している国は以下の通りです。どちらも中国が主な取引相手国となっており、輸入は全体の約18.3%、輸出は9.5%となっています。
- 輸出国:中国、米国、ドイツ、日本、英国
- 輸入国:中国、ドイツ、米国、インド、サウジアラビア
アフリカ大国で唯一のG20参加国
南アフリカ共和国は、GDPがアフリカ全体の2割を占めており、アフリカを牽引する経済大国です。経済成長が期待される新興国BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)の内の1つで、アフリカ大陸で唯一のG20参加国になります。
南アフリカランドの今後の見通しを予想
南アフリカランド・円の過去10年間の推移と今後の見通しについて解説します。
南アフリカランド・円の過去10年間チャート推移
南アフリカランド・円の2014年~2023年までの推移は以下の通りです。単位は1ランド当たりの円になります。
2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 |
9.7574 | 9.5420 | 7.4059 | 8.4224 | 8.3854 |
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
7.5526 | 6.5243 | 7.4341 | 8.0363 | 7.6135 |
今後の見通し
南アフリカランドの2024年以降の見通しは、短期的にみると一時的な下落リスクがある反面、長期的には上昇していくのでないかとみられています。その要因についてそれぞれ解説していきます。
失業率の高さや電力不足による一時的な下落リスク
短期的な観点では、南アフリカの失業率の高さと電力不足によって、一時的に急落する恐れがあり不安定です。現在南アフリカの電力の9割が国営会社任せとなっており、この企業には潤沢な資金がない状況です。そのため、度々計画停電が実施されています。電力が不安定により製造業などの業績も不安定となり失業者が増えています。こうした問題が解決するまでは、急落するリスクも視野に入れておきましょう。
人口増加による経済力増加
長期的な観点で見ると、人口増加により上昇する見込みとなっています。ユニセフが発表するデータによると、2030年までの間にアフリカ全体の人口は「2億人を超える」と予測されています。人口が増えることにより、働き手も増えるので経済力が増し、ランドの価値は上昇していくことでしょう。
外貨が流れ込む可能性も
長期的な上昇観点の1つとして、外貨が流れ込む可能性が予測されています。南アフリカランドは、今後も高金利政策を続ける可能性が高く「低金利の他国から投資目的の外貨が流れ込むのではないか」と言われています。
まとめ
今回は南アフリカランドについて解説しました。金利が高い所は魅力的ですが、値動きが激しいため注意が必要な通貨です。購入を検討している人は、南アフリカのニュース情報をリアルタイムで得られる方法を確立してから購入することをオススメします。