企業の制度が充実している昨今。新たに産まれる家族のために育休制度を利用しようと考えている人も多いのではないでしょうか。育児休暇制度の中には、産後パパ育休という制度もあります。今回この記事では、育休と産後パパ育休の違いについて解説していきます。
産後パパ育休と育休はどっちが得?
産後パパ育休と育休、どっちが得なのかは人によるでしょう。どちらの制度も併用できるので、両方利用するという人もいます。育休は分割して取得できるので、併用することで最大4回に分けて育休取得が可能になりました。
産後パパ育休では期間が短いため家計への負担は減らせますが、子育てが大変な時期に仕事に戻る場合があるため家族の負担が増える可能性があります。
育休の場合は休暇期間が長いため育児に専念できますが、収入が減る期間が長くなり家計を苦しめる可能性があります。
産後パパ育休とは
産後パパ育休(出生時育児休業)とは、2022年より利用できるようになった制度です。出産後8週間の中で最大28日(4週)の休みを取得できます。産後パパ育休制度を利用するかは労働者個人の判断となっており、義務ではありません。
給付金について
休暇中は給付金として出生時育児休業給付金が取得可能です。出生時育児休業給付金の金額は「休業開始時賃金日額✕出生時育児休業の取得日数✕ 67%」で計算できます。
休業開始時賃金日額は、休業開始前6か月間に支払われた総額を180で割った金額。取得日数は最大28日です。
2025年4月より出生後休業支援給付金を設立
2025年4月より、新たに出生後休業支援給付金が設立されました。育児休暇で休んでいる人の収入保障をより手厚くする仕組みとなっており、出生時育児休業給付金と合わせて利用することで手取り10割相当の給付金を取得できます。
出生後休業支援給付金を受給できる条件は「夫婦で14日以上の育児休暇を取得していること」です。配偶者が専業主婦や片親の場合は無条件で利用できます。
メリット・デメリット
産後パパ育休を利用するメリットやデメリットを紹介します。
メリット
産後パパ育休を利用するメリットとして「子育ての喜びや大変さが実感できる」「社会保険料が免除になる」「家族の負担を減らして産後うつを防げる」などが挙げられています。パートナーと共に育児することで大変な点や喜びなどが共有でき、ストレスの軽減にも繋がっていると言われています。
デメリット
産後パパ育休を利用するデメリットとして「子育てが大変な時期に育休が終了する恐れ」や「どちらかが家事育児しないと却ってストレスになる」「昇進が遅れるなど、キャリアダウンにつながる」などが挙げられています。
仕事を休めるからといって、家事や育児をサボってしまうと相手のストレスが大きく貯まるようです。お互いに協力し合って育児していきましょう。
昇進など仕事に関することが気になる人は、産後パパ育休を2回に分割で取得して、仕事勘を鈍らせないようにするという手もあります。
育休とは
育休とは、子供が原則1歳まで休業できる制度です。産後パパ育休に比べて休暇期間が長く、育児に専念できます。
育休期間は2回まで分割して取得可能です。保育所に入れない等の理由がある場合は2歳まで延長できます。
原則として、育休期間中は就業不可です。会社からの一方的な指示による就労は認められませんが、休業者が就労することを合意した場合は認められると言われています。
パパ・ママ育休プラス制度で期間延長が可能
パパ・ママ育休プラス制度を利用することで、育休期間を延長できます。パパ・ママ育休プラス制度とは、両親がともに育児休暇する際に、要件を満たした場合は期間が1歳2か月まで延長される制度です。要件は以下の通りです。
- 配偶者の子が1歳に達するまでに育児休業を取得していること
- 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
- 本人の育児休業開始予定日は、配偶者がしている育児休業の初日以降であること
給付金について
育休での休暇中は、給付金として育児休業給付金を取得可能です。給付額は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」となっており、育休開始から6か月以降は割合が50%に減るので注意してください。休業開始時賃金日額は、休業開始前6か月間に支払われた総額を180で割った金額です。
育児休業給付金を取得できる条件
育児休業給付金を取得できる条件は以下の通りです。
- 1歳未満の子を育てるために育児休暇を取得した被保険者であること
- 育児休暇前の2年間に11日以上出勤した月が12か月以上あること
- 支給期間中に10日を超えて就業していないこと
メリット・デメリット
育休のメリットやデメリットを紹介します。
メリット
育休するメリットは「1歳までと長い期間育児休暇を取得できるので子育てに専念できる」「社会保険を免除できる」ところです。長い期間子育てに専念できることから、子供の成長を実感できます。
また、育休期間中は就労が不可能になるため、完全に仕事のことを考えずに子育てに集中できるという利点があります。
デメリット
育休のデメリットは「長期間休暇するため、職場への復帰やキャリアダウンに繋がってしまう」「収入源の期間が長引くため家計への影響が大きい」ところです。とくに収入に関しては、給付金受給が6か月を過ぎると50%に減ってしまうので、注意が必要です。
育休を取得する際の注意点
産後パパ育休や育休を取得する際の注意点として重要なのは「勤務先企業に事前申請し、育休に入る前にしっかりと引継ぎする」ことです。
勤務先企業に申請するには、産後パパ育休の場合は出産の2週間前、育休は出産の1ヶ月前には申請しておかないといけません。
申請後は、育休中に同僚の作業に支障がでないよう引き継ぎします。引継ぎが不十分な場合、育休中に勤務先から連絡がくる場合があります。育児に専念するために事前に引継ぎ資料をしっかりと作り、あなたがいない状態でも滞りなく作業が行えるようにしておきましょう。
まとめ
今回は、産後パパ育休と育休はどっちが得かについて解説しました。どちらが得かは人によって異なりますが、収入を減らしても子育てに専念したい場合は、どちらの制度も併用して長期間の育児休暇を取得する方法をオススメします。事前に奥様や会社の人に相談して、どのように育休を取得するか決めるとよいでしょう。
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