2023年9月に発売されたiPhone15シリーズ。日本国内でも話題となりましたが、その話題の中心はiPhone14シリーズよりも値上げしたということでした。
世界各国の販売価格を見ると、日本同様値上げをした国もあれば、逆に安くなっている国も存在します。
その中でも特に値上がりした国が「トルコ」でした。なぜトルコはそこまで値上がりしてしまったのでしょうか。
iPhone15シリーズの値上げ
日本ではiPhone15シリーズの発表後に値上がりしたと話題となりました。
前モデルのiPhone14シリーズから約5,000円〜10,000円の値上げとなりましたが、実は発売元のアメリカでは価格は据え置きです。
なぜアメリカでは価格が変わっていないのに、日本をはじめとした世界各国では販売価格がかわってしまうのでしょうか。
それは各国の法定通貨の為替レートに深く関係しています。
原因は為替相場
為替相場(為替レート)は一度聞いたことがある人も多いかと思います。
海外旅行へ行く際に、旅行先の通貨へ日本円を両替すると思いますが、その時の交換レートが為替相場(為替レート)です。そしてこの為替相場は常に価格が上下しており、その日のタイミングにより価格が高かったり安かったりします。
日本では、「歴史的な円安」とメディアで報道されることもあるほどドル高円安が進んでおり、iPhone14シリーズの為替レートは1ドル=136円ほどでしたが、今回のiPhone15シリーズの価格では1ドル=142円ほどとなり、この為替レートの価格差がiPhoneの値上げの理由となります。
そしてトルコではiPhone15(128GB)の販売価格が日本円換算すると27万3449円となり、前のモデル「iPhone14(128GB)」からの値上げ率は61%を超えました。
日本と同じくトルコでのiPhone値上げの主な理由も為替レートが関係しています。
トルコリラ安が値上げの理由
現在のトルコではインフレが長期化しており、物の価値が高くなっています。逆を言えば、トルコで使用されている通貨の価値が下がっていると言えます。
トルコの法定通貨であるトルコリラの為替レートが米ドルに対して50%弱もトルコリラ安が進みました。これによりトルコリラは米ドルに対して価値が下がってしまい、米ドルで設定されているiPhoneの価格が相対的に上昇することとなります。
さらにトルコでは、iPhoneに「ぜいたく税」という税金が課せられていることも1つの要因です。
トルコリラ どこまで下がる?
トルコリラは長期間下落傾向にあり、まだまだ下がるだろうと言われています。
今回は分かりやすく「トルコリラ/円」で解説しますが、2023年10月現在の為替レートは1トルコリラ=5.3円ほどです。
この価格がどれほど低い水準かと言うと、2008年のトルコリラの為替レートが1トルコリラ=90円だったことを考えればどれほどトルコリラ安が進んでいるかが分かると思います。
基本的にインフレが発生した場合、その国の中央銀行は金利を引き上げて通貨の価値を引き上げようとします。
しかしトルコではインフレが長期化する中、エルドアン大統領が金利の引き上げに反対しており、中央銀行へ圧力をかけている状態です。
このままインフレが継続し、金利の引き上げが行われないままだと、さらにトルコリラの為替レートは良くて横ばい、もしくはさらに下落していくものと見られます。
まとめ
日本でも「ドル高、円安」というワードをよく耳にしますが、これが影響してiPhone15シリーズの販売価格が前のモデルよりも高くなってしまいました。
日本よりも通貨安が進んでいるトルコでは約61%もの値上げになり、トルコリラ安の影響がモロに出てしまっている状況です。
これからトルコリラ どこまで下がるかは予測できませんが、今後の動向にも注目です。